さよなら

この町を去る日が近づき 思い浮かべるのはいつも
桜の木の下 花びらを手にとって 笑いかける君
あれから何度も繰り返し春がやってきて
だけど あの日からずっと 桜の木の下 君の姿はない

高台の横には君の名前の石
もうあの日は戻らない

『さようなら』をずっと言えなくて首を横に振ってたから
思い出した笑顔の君を 空のキャンパスに描いた
速すぎる時の流れに戸惑い隠せず
君の名前を呼んだ

 

夕焼けのいわし雲の中に鐘の音が響いて
昔よく遊んでいた公園は今も何もかわらないまま

涙で濡れた日も 無口なあの夜も
いつまでも胸が痛くて

『さようなら』の言葉一つに いつも怯えていたよ
無くしたものの大きさに気がつかない振りをした
悲しみをワイングラスにたくさん注いで
星降る夜に投げた

『さようなら』がくれた現実 変わらない駅前で
思い出した笑顔の君が遠くの空に見えた
動き出す電車の窓そっと一人開けて
君にサヨナラ言った

 

 

BACK